キュレーションメディアはブロガー、既存メディアにとっての悪夢?

キュレーションメディアの興隆はブロガー、既存メディアにとっての悪夢?

最近ものすごい勢いで、増え続けている「キュレーションメディア」。DeNAがiemoとMERYを50億円で買収したことが有名ですね。サイバーエージェントや、KDDIなど他の大企業も出資や買収など乗り出してきています。この記事では、拡大しているキュレーションメディアとはどのようなものなのか、最近なぜ問題視されるようになっているのかということと、ブロガーや既存メディアにとって何が問題なのかどのように対処していけばいいのかということを考察してみたいと思います。

<2012/12/01追記>関連記事を書きました。↓

Welqなどのパクリ問題に対して対策しにくい理由と、声の上げづらさ – Life Design Edit

前提として・・・

ブログやメディアやアプリは、無料でサービスやコンテンツを提供する場合、広告収入により成り立つビジネスモデルになっています。そしてその広告費で成り立っているメディアの「広告費」が主な論点です。まとめ記事自体を否定しているわけではありません。

タイプ別にみるキュレーションメディアの仕組みと問題点

この記事ではキュレーションメディアを大きく2つに分類しました。ニュースアプリ型とキュレーター投稿型です。

ニュースアプリ型

ニュースアプリ型キュレーションの仕組み

例:SmartNews、Gunosy

記事はオリジナルのままで、ネット上から様々な記事を拾ってきておススメしてくれるタイプのものです。メディアというよりはアプリやウェブサービスの意味合いが強いかもしれません。antennaやNewsPicksは独自コンテンツも多い印象です。コンピューターがその人に好きそうな記事をお勧めする=機械によるキュレーションという意味で、キュレーションメディアと呼ばれています。

ニュースアプリ型に取り上げられることのデメリット

※SmartNewsとGunosyの場合です。

ニュースアプリに取り上げられることのデメリット

SmartNewsのスマートモードは、記事を閲覧した時に、元記事の本文と画像部分だけが抜き出され、元記事の広告が消されます。しかしアプリには広告が表示されます。

つまり、本来であれば記事を読みたいユーザーが記事を見にきて、広告が表示されクリックした場合、当然記事を作ったサイトに広告費が支払われるわけですが、この場合、記事をコピーしてきて整形して提供しているアプリに広告費が入るわけです。

他のアプリはそのまま記事が表示されるので、記事ページにおいては、広告も元記事のものが表示されます。

これは全文取得型のRSSリーダーアプリや、ブラウザのアドブロックなどにも共通する点です。

ニュースアプリ型に取り上げられることのメリット

利用者が多いので、多くの人に見てもらうことができます。SmartNewsやGunosyは大手には広告費の一部を分配しているようです。またSmartNewsでは、パートナー契約を結べば、決められたフォーマットでスマートモードにおいても自社の広告や広告主の広告を掲載できるようです。

Publishers | スマートニュース株式会社

ニュースアプリ型の著作権上の問題

※SmartNewsとGunosyの場合です。

「アプリ側が所有するサーバーにいったん元記事をコピーして整形して配信」するパターンと、「アプリが直接元記事をダウンロードして整形」する場合が考えられますが、著作権上、サーバーの場合「キャッシュサーバーだから」、アプリの場合「個人によるダウンロードだから」という理由でグレーゾーンという解釈のようです。

問題のない取り上げ方のニュースアプリキュレーションマガジン antenna[アンテナ]

キュレーター、ユーザー投稿型

キュレーター、ユーザー投稿型キュレーションメディアの仕組み

例:Mery、iemo、M3Q、by.S、RETRIP、Naverまとめ

キュレーター(記事を書く人)がネット上で記事を探し、引用したり、編集してまとめたうえで投稿するものです。「キュレーター」と一口に言っても、メディア運営会社の中の専門家から、一般ユーザーまでさまざまです。

キュレーター、ユーザー投稿型に取り上げられることのデメリット

メディアに転載されることのデメリット

多くのキュレーションメディアでは、画像は引用元を記せば、まとめ記事の中で勝手に使うのが普通になっています。この場合、引用の要件を満たしていればいいのですが、10~20サイトくらいから画像をコピーしてきてほとんど並べただけの記事は問題があります。

例えばレシピなどのハウツー記事などは、ものを作って、写真を撮って、加工してという手間はかなりのものです。そうやって元記事の作成者が作った画像を何個もまとめられた場合、まとめ記事はそれなりに充実するので、結果として検索順位も上がり、元記事のサイトの価値が相対的に下がります。そして、画像が説明する情報量というのは多いため、閲覧者は元記事を見なくても事足りてしまう場合がほとんどです。引用元が多ければ、自分の記事にアクセスされる確率もさらに下がります。結果トータルとしてアクセスが下がる可能性が高いのです。

こういったタイプのキュレーションメディアというのは、写真を転載することで短時間で良質充実した記事(画像のおかげで)を作れるので、コンテンツがローコストですみ、浮いたコストを広告費に使って登録ユーザーを増やすことで、ビジネスモデルが成り立っています。

キュレーター、ユーザー投稿型に取り上げられることのメリット

これも多くの人から見られることです。ただし、元記事にいく必要のないとりあげられ方だと、画像を見られるだけで意味がないですよね・・・。

キュレーター、ユーザー投稿型の著作権上の問題

前述のとおり、引用の「主従」の要件や「必然性」を満たしていない場合、著作権違反になります。

問題のない取り上げ方のキュレーションメディアCurated Media – 実名キュレーターによるキュレーションメディア

キュレーションメディアのこれからと既存メディアのできること

以上、キュレーションメディアの特徴と、元記事に関してのメリット、デメリットを取り上げてみました。取り上げられる側にもメリットもありますが、現状を考えると、ユーザーをメディア側で取り込んでいるケースが多いです。その場合個人や小さなメディアはトラフィックやユーザーを奪われて行き、サイト運営が困難になっていく可能性があります。

実際にこのブログでも、キュレーションメディアに記事を画像も含めてリライトされた結果、検索上位から検索圏外に飛ばされてしまいました。(泣) キュレーションメディアの記事は上位。Googleにこちらがコピーで有用性の低いコンテンツと判断されたのかもしれません。また、検索結果が安定していたキーワードがキュレーションメディアに取り上げられ、検索上位10位中5位くらい占められ、これまた圏外に飛ばされました。(Googleさん仕事して~)

キュレーションメディアの記事を見ていると、転載してきた写真について、さも自分が作った(撮影した)ような説明を書き加えて、それが明らかに間違っていることもあります。安全性に関わるものもあるので、そのような内容の浅い無責任な記事が問題になってきています。

今後、著作権の非親告罪化や、Googleのアルゴリズムのアップデートで変化が起きる可能性もありますが、しばらくはキュレーションメディア、盛り上がりそうです。ではブロガーや小さなメディアはどうすればいいのでしょうか?いくつか考えてみました。

よりニッチで、専門性、オリジナル性の高い記事を書く

いずれにせよネットに情報が多くなっていけば、情報がコモディティ化(一般化)し、分散してしまいます。キュレーターにはまとめることのできないコンテンツであれば対抗できます。

広告ネットワークによる収益モデルに頼らず、自社ビジネスを持つ

広告ネットワークを利用する限り、自社のサイトで記事を読んでくれたときだけしか収益にならないので、うまく記事を自社のサービス、製品に結び付けるようにしたり、記事型広告を使ったり、記事を有料コンテンツにするのも一つの手です。(ただ、有料コンテンツをパクられたら、Googleはパクリの方を先にインデックスするので、パクられたら痛い)

フォロワーを意識して、信頼度を高めるメディアを作っていく

これだけネットに記事があふれると、取捨選択する基準としてその記事は「誰が書いた記事か」、「どこの情報か」ということが重要視されるようになってくると思います。なので、常に質の高い記事を提供して、単なるユーザーではなく、フォロワーを増やしていくことで、常に記事を見てもらえるようになります。

転載をやめさせるようにするのは?

画像や記事を転載された場合や、転載を防ぐため、

  1. 転載先に問い合わせて、削除してもらう
  2. 画像に透かしを入れる
  3. 対象メディアからのアクセスや、コピーを禁止する
  4. DMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づいて、Googleに対象ページのインデックスを削除してもらう。
といった方法があります。1と3は、労力を費やしても、結局サイトの流入を増やすことになりません。問題は転載により成り立つサイトが検索上位に来たり、ユーザーを奪われてしまうことだからです。2は正当な引用まで妨げてしまうかもしれません。なのでそこに時間を費やすよりは、4の方法で、対象ページをGoogleの検索から外してもらい、オリジナルの記事の検索流入を増やすほうが効果的です。また著作権侵害の申請件数が多くなるほど、対象サイトのGoogleからの評価は下がっていきます。

<2012/12/01追記>ごめんなさい、そう簡単ではありませんでした→記事を見る

キュレーション、バイラルの流れに対して、コンテンツの質を重視したメディアのあり方も議論されるようになってきています。ページビュー数やいいね!の数ではキュレーションメディアに勝てなくても、質の高いコンテンツを見てくれるフォロワーを集めることができれば、メディアとして生き残れるのではないでしょうか。

まとめ

キュレーションメディアが増えることで、ブロガーや既存メディアは少なからず影響を受けています。でも、キュレーションメディアもネットにあふれるメディアの中の一部に過ぎないので、メディア業界の進展を見守りつつ、できることをしていくしかないですね・・・。

あふれた情報の中から良いものを厳選して届けるというのが本来のキュレーションです。例えば、いいなと思った商品や記事を紹介するときに、画像付で(引用のルールを守ったうえで)、きちんと誘導するようにリンクを貼るなら、リンク先にとってメリットになるはずです。こういった、本来のキュレーションが盛り上がってくれることを願います。 (日本では導入されていませんが、著作権法の中のフェアユースという考え方です。原則で判断されるようにしてほしいです。)

参考にしたサイト

あとがき

あと10年もしたら、画像集めて、説明文つけるようなまとめはAIにとってかわられるよね。・・・でもそのときはAIキュレーションアプリが広告費取るのかな?

いいねとおもったらシェア!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です